第10章 1年後⑤

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【消しゴムの体】  を発動すると。  体中に玉が当たるなり消滅。 「ま、まじか、奴は無敵か」  敵はこちらの能力を全て知らない。  奴等は消しゴムでなぞったものが消えると思っている。  それを利用して。フォケジーはゆっくりと狸の一味に歩み寄っていく。 「く、来るなああ、化け物おおお、ここは化け物だらけだあああ」  入口はフォケジーの場所しかなく、狸の一味たちは拳銃が効かないと思ったのか、刀を引き抜くなり襲ってくる。  刀はフォケジーの体に触れた瞬間消滅した。  1人の獣人が倒れ、フォケジーはこけた。 「ま、まさか、素手はきくんじゃ」    最悪の展開だった。  フォケジーは素手の戦いにはめっぽう弱い。  びびらせて1人ずついたぶって殺そうと思っていたフォケジーは。  真っ青になりつつも。    それでも近づこうとして。  狸の一味たちはフォケジーに殴りかかる。  顔が、腹が、背中が、足が、腕が。全身を殴られ。  殴られ殴られけられ。  血をはき入れ歯が落ちる。  顔面を何度も蹴られる。 「はあ、雑魚じゃねーか」  目の前が真っ赤に染まる中、目の前を一生懸命見ようとして。
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