690人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
彼はとても話上手、聞き上手で、大学では心理学を専攻し、今は名だたるカウンセラーとして活躍している。かくいう私も、亜貴くんの事、片思いをしていた中学生の時から、彼がアメリカに行くまで相談に乗ってもらっていた。壮くんは、ずっとアメリカで仕事してるって聞いていたけど・・・・。
「うそーっ、何時海外から戻ったのぉ!? やだー、久しぶり! 元気だった!?」
まさか壮くんに会えると思っていなかったから、テンションが上がった。
「あ、亜貴のヤツ、俺がこっちに戻ったこと、何もゆっちゃんに言ってないんだな」
「聞ーてないーっ!」
もうっ、亜貴くんたら、何時も肝心な事は何も私に話してくれないんだから!
「戻ったのは二年くらい前かな。ま、ゆっちゃんも無事に亜貴と結婚したんだし、何も俺に相談することなんて、無いだろ」
「えーっ、あるよ、あるある! いっぱいあるー!」
壮くんには、何でも話せる間柄だ。かといって、亜貴くんとのセックスレスを話す訳にはいかないけど。
「えっ、どんなコトだよ?」
「それはヒミツ! 男の人には教えられなーい」
相談したいことがあるとか言いながら、矛盾したセリフを吐いた。
「あ、解ったぞ。当ててやろうか?」壮くんはニヤニヤしている。
えっ、亜貴くんのこと、私、顔に出てたかなっ!?
そんなに欲求不満に見えるの、私!?
最初のコメントを投稿しよう!