第二話

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 彼はとても話上手、聞き上手で、大学では心理学を専攻し、今は名だたるカウンセラーとして活躍している。かくいう私も、亜貴くんの事、片思いをしていた中学生の時から、彼がアメリカに行くまで相談に乗ってもらっていた。壮くんは、ずっとアメリカで仕事してるって聞いていたけど・・・・。 「うそーっ、何時海外から戻ったのぉ!? やだー、久しぶり! 元気だった!?」  まさか壮くんに会えると思っていなかったから、テンションが上がった。 「あ、亜貴のヤツ、俺がこっちに戻ったこと、何もゆっちゃんに言ってないんだな」 「聞ーてないーっ!」  もうっ、亜貴くんたら、何時も肝心な事は何も私に話してくれないんだから! 「戻ったのは二年くらい前かな。ま、ゆっちゃんも無事に亜貴と結婚したんだし、何も俺に相談することなんて、無いだろ」 「えーっ、あるよ、あるある! いっぱいあるー!」  壮くんには、何でも話せる間柄だ。かといって、亜貴くんとのセックスレスを話す訳にはいかないけど。 「えっ、どんなコトだよ?」 「それはヒミツ! 男の人には教えられなーい」  相談したいことがあるとか言いながら、矛盾したセリフを吐いた。 「あ、解ったぞ。当ててやろうか?」壮くんはニヤニヤしている。  えっ、亜貴くんのこと、私、顔に出てたかなっ!?  そんなに欲求不満に見えるの、私!?  
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