第二話

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  「ズバリ、二キロ太っただろ」 「にっ・・・・」 「図星か?」  壮くんはまだ笑っている。 「ち、ちっ、違うわよっ!! 二キロも太って無いしっ!」私はムキになって、否定した。  二キロも太ってないわよっ!  ほっ、ほんの少しだけっ・・・・太ったけどっ! 「ははははっ、冗談だよ、冗談! ホント、ゆっちゃんは変わんねえな」  ぽんぽん、と優しく髪を撫でてくれた。  壮くんも、私の知っている頃と変わらない悪戯な顔で笑った。手の温もりも変わってない。  亜貴くんの事で悩んだ時、何時も私の事、こうやって励ましてくれたっけ。  この優しい手、懐かしいな。  何も苦しくなかった、純粋に亜貴くんを好きでいた頃に、まるで時が戻ったみたい。  それに、こんなに感情剥き出しで笑ったり怒ったり、久しぶりだ。  今日は、来て良かった。  壮くんに会えて、良かった。  それにしても壮くんたら、随分イケメンになっちゃって。まあ、もともとかなりキレイな顔立ちだし、前から男前だけどね。でも目の前の壮くんは、前よりもっと男前に磨きがかかってる。さぞかしモテるんでしょうね。まだ独身なのかな。指輪してなかったけど。 ――ね、抜けちゃおっか。  壮くんについてあれこれ考えていると、耳元で囁かれた。  見ると、長い人差し指を口元に手を当てて、内緒のポーズをしている壮くんが目くばせした。  あとで、と小さく囁いて、私は笑顔を返した。
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