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「もうっ・・・・笑わせないでよ。っていうか、さっき、しれっと奥さんって言ったよね。何時結婚なんかしてたの? 聞いてないしっ」
「ゆっちゃんが笑ってくれるなら、俺はどんなピエロにでもなるよ」
「・・・・何時結婚したのかって、聞いてんのっ。はぐらかさないで」
「二年前、帰国後に内密婚。サプライズだ。誰にも言ってない」
「あ、っそ」
「それより、笑えよ。変顔してやろうか?」
「要らないっ」
私は泣きながら笑った。「壮くん・・・・私、もうダメだよ・・・・」
壮くんが必死に私を慰めてくれようとするから、何かの糸がぷつんと切れた。
笑おうとしても、ダメだった。涙が溢れて止まらなくなってしまった。
「どうしたの、ゆっちゃん。俺に話せよ。吐き出したら、ラクになれるから」
「うっ・・・・ううっ――・・・・」
私は、壮くんの胸に飛び込んで、嗚咽を漏らした。
そして、洗いざらい今までの亜貴くんとのことを、壮くんに話した。
恥ずかしい話だったけれど、もう、堪えきれなかった。
亜貴くんに愛されたいって、女として愛されるにはどうしたらいいかって、壮くんに話した。
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