第三話

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  「もう見るな。ゆっちゃん、俺が言った今の事は、忘れて」  壮くんが、裏向きの写真を取り上げようと手を伸ばした。 「待って!」  私は右手で伸びて来た壮くんの手を取って、左手で写真を引っ掴んだ。  このまま悩んでいても、無理だもん。勢いで写真が見えるように、自分の方へ慌ててひっくり返して向けた。  写真を見た瞬間、時が止まった。  そこに映っていたのは、亜貴くんと、亜貴くんに腕を絡めている、長いストレートの漆黒の髪を靡かせた、綺麗な女性。  背景は――どこかのホテル。そこから出て来たところだと思われる写真だった。 「その女、俺の奥さん」 「えっ・・・・?」  ドクン ドクン ドクン ドクン  鼓動が、やけにうるさい  
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