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全身が震えて来た。
ぞわぞわと悪寒が広がっていく。
衝撃的過ぎて、頭が付いていかない。
何がどうなっているのか、全く分からない。
私は、右手で壮くんの手を取ったまま、左手で掴み取った写真を見つめ、そのままの姿勢で固まった。
写真から顔を上げて恐る恐る壮くんを見ると、彼はとても怖い顔をしていた。
「その女が、俺の奥さんだよ。二年前結婚した、旧姓、須田玲子(すだれいこ)。中学の時の同級生だよ。ま、玲子はゆっちゃんや亜貴とは全く面識無かったけどな。クラスも全然違ったし、殆ど話すことも無かっただろうから」
「いや・・・・そんな・・・・ちがっ・・・・そんな、亜貴くんが・・・・」
「違わねえんだよっ!!」
壮くんが声を荒げた。「二人して俺等の事・・・・裏切ってんだぜ!? 俺、本当は今日、最初からこのことをゆっちゃんに相談しようと思ってたんだ! でも、ゆっちゃん様子がおかしいから、この話をするのはやめておこうって思ったんだけど・・・・でも、ゴメン! 亜貴にそんな辛い目に遭わされてるって判って・・・・どうしても黙ってられなくなった!! 赦せねえんだ! 亜貴も、玲子も!!」
壮くんの様子を見て、何かが壊れた。
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