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「こんなのってない!! こんな・・・・酷い・・・・酷いよおっ・・・・あぁっ、あ きくんが わたっ・・・・わ た しをっ・・・・」
ただただ涙が溢れ、過呼吸みたいになって、まともに喋ることもできなくなった。唇を強く噛みしめすぎて、うっすら血の味がしてきた。
それが、夢でないと私に現実を突きつける。
写真を握りしめたまま、私は崩れ落ちた。
「ううっ・・・・うあぁあ――っ・・・・いやぁあぁ・・・・あき、くっ・・・・あぁっ・・・・」
酷い嗚咽が漏れた。
泣き崩れた私を、壮くんが傍にやって来て、強く抱きしめてくれた。
「ゆっちゃん・・・・俺なら、君にこんな辛い思いさせないっ! 俺、何の為にゆっちゃんを諦めたんだよ・・・・。こんな時にごめん。でも、聞いて欲しい」
壮くんにしがみついて泣いている私の背中を優しく撫でながら、彼が話を続けた。
「俺、ずっとゆっちゃんが好きだったんだ! 中学の時、転校してきてすぐ、独りぼっちだった俺を助けてくれた、あの時からずっと、優しいゆっちゃんの事、好きだったんだよっ!! でも、君は亜貴の事、何時も大切に思っていたから、応援しよう、俺のキモチは言わないで心にしまっておこうって・・・・亜貴だから、俺は君の事諦めて・・・・やっと、別の大切にできる女性を見つけたっていうのに・・・・! それを・・・・それをっ・・・・こんな形で裏切られるなんて!!」
好きだった?
私を?
何を言ってるの、この人。
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