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途端にドキン、と心臓が跳ねて、全身が、かあっ、と熱くなった。
突然の事過ぎて、拒むことも忘れてしまった。
唇が離されたから、目を開いて壮くんを見つめた。
どうして? ドキドキしている。どうしよう。
衝撃で、言葉が出てこない。
「ゆっちゃん、君は誰よりも綺麗だ。こんなイイ女、手も出さずに放っておいて、何年も辛い思いさせた挙句、裏切るなんて、俺、絶対に亜貴を赦せない!! 亜貴が君のこと要らないっていうなら、俺がもらう」
今度は、激しく口づけされた。舌が押し入ってきた。
「ん、んんっ・・・・そう・・・・くっ、ん・・・・っ!」
口づけされたまま軽々と抱き上げられ、傍のシングルベッドに押し倒された。
弾みで、握りしめていた写真が宙に舞い、ヒラヒラと舞い落ちていった。
その時、落ちていく写真に写った亜貴くんと、目が合った気がした。
――亜貴くんは、どんな思いで私を裏切って、どんな風に壮くんの奥さんを抱いたの?
考えようと思ったけれど、再び壮くんの唇が下りて来た。
何度も何度も壮くんに口づけされて、舌と舌が絡まって、くぐもった吐息が漏れた。
離れようと思っても、出来なかった。何度も唇を求められ、ゾクゾクと快感が全身を襲う。
こんなに激しく求められたのは、初めてだった。
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