タイムトリック・パニック 2

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 どこか校内ですれ違っていただろうか。その距離なら会っても覚えていないだろう。もともと男子に興味が無いし。 「…自分で言うのもあれだが、あの時俺相当人気あったんだぜ」  ほんとに自分で言うのもなんですが、このひとが言うとしっくりきてしまう。それくらいかっこいいのだ。納得してしまう。 「って、なんでわたしこんなかっこいいひとと結婚しているんですか!?」  ようやく男性の言う「現実」が形を帯びて見えてきた。実感がわかなかったけど、いまでもわかないけど、どうやら目の前のイケメンと「夫婦」らしい。  いやだって想像をしてほしい。好きなひとすら居なかった数十分前。気づいたら結婚していた、しかもみたこともない知らないひと。しかもそれがイケメン。  男性のいう「わたし」がいまの私と結びつかない。 「申し訳ないんですけど、まだ受け入れているわけじゃないんですけど、あなたとわたしって、その、恋愛結婚なんですか?」  どうも釣り合いが取れないと思うのはわたしだけだろうか。平凡を絵に書いたようなわたしはとりたてていいところ、惹かれるポイントなんてないと思う。現に告白なんてされたことないし。  お見合いなら…いやお見合いでも見初められる気がしない。 「ああ、そうだけど」     
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