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「………………………………………………あなたはいったいだれなんですか?」
意を決して問う。
「須佐翔太」
「………………須佐、くん!?」
3年B組の須佐翔太くん。学校一の人気者だ。
確かに先ほど言っていた「騒ぐ」レベルだ。
須佐くんは陸上部所属で、大会に出たら全国大会まで出場するほどの実力の持ち主で、その容姿端麗と生徒会会長という役割をこなす力量から、うちの学校で知らないものはいないほどだ。
確か最後の中体連も100メートル走の全国大会でファイナリストになっている。
平凡を絵に描いたわたしとはまるで接点のない天上人だ。
その彼とわたしが結婚。ありえ、ない。
押し黙ったわたしを見て、ふうとため息をつく須佐くん。ぽんぽんと頭を軽く叩いて、「今日は混乱しているだろうから、もう寝るぞ」と言った。
「……………………うん」
これ以上ものごとを考えたくはないし、寝て起きたら夢だった、ってことだろう。それならはやく寝てしまいたい。
「寝るところは……さすがに一緒は無理だろ、いまは」
一緒に寝るってこと?無理!
「無理です!」
とりあえず相手が誰かは分かったけど、一緒のベッドで寝るなんて到底考えられない。だってわたし15歳なんだよ?彼氏いないんだよ?男子と一緒なんて!
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