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「15年後のテレビはこれなんだよ」
落としたリモコンを拾ってテーブルに置く。目の前に須佐くん。テーブルの上にご飯とお味噌汁などが乗せてられていく。
「意外」
テーブルの上を見て、ぽろっと本音が出た。
「なにが意外なんだ」
だって須佐くんの見た目に和食は似合わない。トーストにコーヒーとか似合いそうだ。というか須佐くんがご飯作るとかイメージに合わない。
「須佐くんって」
たしかいいとこのお坊ちゃんだったんじゃなかったけ。社長の息子とかそんな感じ。噂では家政婦がいるとかそういうドラマみたいなそんなひと。そのいいとこの坊ちゃんがなぜわたしのために朝ごはんをつくってくれているのだろう。
「…洋食のイメージがあるんだけど」
色々訊きたいことは山のようにあるけれど、とりあえず当たり障りのないことを言う。いきなり家のこと訊くのは失礼な気がしたのだ。
だってそこまで仲良いわけじゃないし。
「あ?だってお前が朝はご飯って言ってたじゃねぇか」
確かにわたしの家では朝は和食だ。何で知っている。
あああ。「夫婦」だからか。15歳のわたしは知らなくても、30歳の須佐くんは知っていることがあるのか。まだそのことには納得していないけど。
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