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なにを仕切りなおすかわからないけど、とりあえずここはそう言っておいたほうがいい気がした。とにかく家に帰りたい。帰って混乱した頭を整頓したい。
だけどますます須佐くんの顔は険しくなっていった。
「須佐くん?」
「いいか、落ち着いて聞いて欲しい」
須佐くんはいままで見た中で一番真剣な顔をしている。
「佳奈。お前の家は、ない」
「…え?」
言っている意味が分からない。
「…どういうこと?」
「家はないんだ」
「お前の家族は、10年前、交通事故で亡くなった」
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