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そのときの彼らの反応は、悲しくなるほどに醜いものだった。
肩をいからせて顔を真っ赤にし、
「お前は一体何様だ。俺たちのやり方に意見出来るほど偉いのか。ちょっと成果を上げたぐらいでいい気になって、王都の勇者にでもなったつもりか!」
議論以前の問題だった。
大人たちはそもそも、ダンジョン攻略には反対という結論ありきで、それを変えるつもりなどないのだ。
到底納得できない俺は、一人で乗り込む決意をした。
だが、その動きは役員たちの予想の範疇だったらしい。
レベルを上げて一人でも乗り込むように準備していると、今度はダンジョンに向かう道付近に俺を通さないよう役員が配置された。一見すると見回りしている風で、明らかに俺を警戒している。
さらに、父親を通じて「最近仕事で何かしたのか?」と頻繁に聞かれるようになる。
狭い町だ。父親の職場を通じて圧力があったのだと想像するのは、そう難しい事ではなかった。
町の人間の目も、依然と比べて明らかによそよそしくなり、俺は仕事以外でほとんど外に出られなくなった。
そんな日々の中で、町に久しぶりに帰ってきた友人と話す機会があった。久しぶりの楽しい会話となるはずだったが、友人のその一言で全てが壊れた。
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