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「えっ、地方の勇者ってそんな給料安いの? マジで?」
聞けば、サラリーマンである彼の半分程度の賃金しかなかったらしい。
「もとより金でやるような仕事じゃないし……」
明らかに俺がの反論は弱々しかった。今している仕事への最後の信頼だったが。
「いや、勇者って国からかなり補助金出てるはずでしょ」
――勇者助成金。
というのが俺が後から知ったその補助金の名前。
勇者の育成や雇用をする場合に、町の自治体に支払われる、というシンプルなもので、勇者候補や勇者がいれば金額も増えるものだ。
通常勇者の給料はここから支払われるが、その裁量はどうやら役員の側にある。
俺の給料が不当に安く見積もられていたのかはわからない。だが、最近ある役員が大きな家を建てたことを自慢していた。
……それから俺は、表面上彼らに従いながら、それとなく探りを入れた。
それでわかったのは、あまりにも予想通り過ぎる内容だった。
①補助金は受け取っているが、役員が大幅に手数料名義で中抜きしている。
補助金の額は所属している勇者の数で決まるため、勇者は常に募集中という図太さ。
②他の勇者に偉そうな顔をされたくないので、ダンジョン攻略はさせない。
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