理想の私

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何にも取りえがなくても、 美人はそれだけで得することが多い。 特に、男の視線は正直だと思う。 隣に、どんなに美人な彼女を連れていても、 美人が通り掛かると必ず視線を送るだろう。 私は、女だけれどやはり美人を見ると羨ましいと思う。 口では「何、あの女!」と言っても、 やはり何処か嫉妬の中にも仄かな憧れが混ざってしまう。 寝る前にもよく祈った。 せめて、夢の中だけでも美人でいたい。もう何万回唱えたことか。 こんな夢のような理想を追いかける私に、 現実の恋愛はできるのだろうか? 答えはいつも出せずにいる。 私は現在29歳だが、今まで付き合った男はいない。 世の中の半分は、男なので今迄に縁がないといいながらいろんなタイプの男に出会ったが、 どれもピンとこないのだ。 中には、私なんぞに好意らしきものをもってくれる物好きもいたけど、 申し訳ないが私が受け付けなかった。 人によっては、自分に好意を持ってくれる人と実際に付き合ってみて、 自分も好きになって晴れて両思いになるというパターンもあるが、 私には、絶対無理なのだ。 何故かと言うと、私は大抵苦手なタイプによく好かれるみたいである。 やっぱり見た目が入るのである。     
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