理想の私

3/3
前へ
/3ページ
次へ
だからこの次点でNGと思った人は、満面の笑顔で丁重にお断りしている。 あんた何様なの?偉そうに!とか思っている人がいるかもしれないが、 これが結局一番誰も傷つかない良い方法ではないかと思う。 人間、正直に生きるのが一番。一度きりの人生なんだから。 でも、私のこのような揺るがない理想は、 心の中だけで作り上げる世界でのみ可能であるので人に口外したことは、 今まで一度だってない。 それは例え長年の友人であっても。 そしてこれからも誰にも言うつもりもない。 密やかな、私と私の心の対話。 誰にも知られることのない永遠の対話。 私はこの対話のおかげで今の腐った現実を何とか生きているような気がする。 ああ、今日も空が青い。 だから何もかも捨ててしまおう。 さようなら、こんにちは。 こんな醜い世の中も、私も。 ばいばい、理想だらけの私。 もっと身軽になって、 本当の自分を見つめたい。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加