「お待たせしました」

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「善ちゃんがねぇ、プロポーズしてくれた時に、あ、彼の部屋で聞いたんだけど、嬉しくて思わず抱きついたらそのまま盛り上がっちゃってねー。で、二人とも『アレ』を持ってないことに気がついたんだけど、もう脱いじゃってたから、まぁいいかってそのまま生……」 「ちょ!ちょ、ちょっと!鞠枝さん!ストップ!!ストップ!!」 だから、声が大きいって! しかもナニを、いや、何を大声で話してるんですかー!! 再び周りを見渡すと、みんながこっちを向いて固まっていた。 驚くことにいつの間に側にいたのか、ウェイターやオーナーまでこちらを見て笑いを噛み殺したような表情をしていた……。 ……もぅ、恥ずかしくてここに来られないかもしれない。 私は真っ赤になりながらうつ向いてしまった。 「それはそうと、初花ちゃん?」と全く気にしていない様子で鞠枝さんは話を続けた。 鞠枝さん、ハート強いですね…… 「初花ちゃんは、新しい店に残らないと思ってたけど……大丈夫なの?」と鞠枝さんは心配そうに聞いてきた。 「えっ?どうしてですか?」 辞める、という選択肢が全く無かった私は驚きながら鞠枝さんの言葉を聞いた。
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