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メイシーは紫煙を吐き出すと、視線だけをフレミングに向けた。
「仕方ねぇから、俺は奴を信用することにする。だが、信頼はしねぇ。――いいか、奴から目を離すな。何か怪しい行動をしたら、すぐに俺に教えろ」
「了解いたしました」
敬礼したフレミングに、メイシーは満足して表情を和らげた。
しかし、すぐに顔を引き締める。
「それから、これ以上犠牲者を出すことがあっちゃならねぇ。警視総監だって、四人殺されたとなっちゃあ、動かんわけにもいかんだろうが、王家の人間がかかわっているとなったら話は別だ。邪魔をされんためにも気ぃ引き締めていくぞ」
「もちろんです。お坊ちゃんだけに良い所は持って行かせませんよ」
二人は顔を見合わせると、検死官らに近づいた。
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