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「俺さー、高橋のことが好きなんだよねー。」
仲良しの男友達田中 翔(たなか かける)にある日相談された。
「光ちゃんが?」
「だって、あいつ可愛いじゃん。」
たしかに光ちゃんは可愛い。男が守ってあげたいと思うようなキャラだし。
だけど君の目の前にいる、君を好きな人はそれを聞いてどう思うとお考えですか。田中くん。
「旭川。協力してくれよ。」
旭川というのは私のこと。旭川 沙希(あさひかわ さき)
「協力ねー。相談くらいなら聞くよ?」
だけど、私が好きってことは秘密。
だって私は、2週間後には転校するのだから。
そのうちに、たくさん話して、私のことを好きになってもらいたい。なんて。そんなこと考える私はサイテーだな。
「女子ってどんなことされたらキュンとするの?」
そういった田中くんの手を私は握った。
「こうやって、いきなり手を握るとか?ま、嫌がる女子もいるけどね。」
田中くんは顔を赤らめた。
「キスとかはダメ?」
「それは…」
今、いいよと言えば、私がしてもらえる?練習台として。でも、私に向けてのキスじゃない。光ちゃんに向けてのキスなんていらない。
「いきなりはダメ!ごくわずかの人はそれで恋に落ちるかもしれないけど、泣いては嫌われて終わる。だから、付き合うまでは絶対にダメ!」
あまりの私の迫力に少しビビったのか私の手を振り払って一歩下がった。
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