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安価なナイフ、値の張る銃、爆薬、弾丸、こんな地域が他にもあるそうだ。
空飛ぶ監視カメラが見守る中、戦闘機で殺し合うそうだ。戦車でのショーがあれば、対ロボット戦もあるそうだ。
この日本ではほぼほぼ人間だ。
日常の暴力、悪い奴らでひしめき合っているから犯罪には事欠かない。
世界中から犯罪者が供給される。
警察は存在せず、軍隊が治めている。賞金首と賞金稼ぎがいる。修介はなんら特別な存在ではない。
たまたま運良く生き残っているだけだ。
元傭兵の賞金稼ぎや、どこぞの国のエリート部隊の賞金稼ぎ、修介は常に日本国に五千人いる賞金稼ぎの最下位争いをしている。
情報力も乏しければ戦闘能力もサイボーグとしては中の上だ。
けれど、この物語の主人公は修介なのだ。
足りていないもの? 修介は屈んだ最中でぴた、と止まった。
世界中が常に賭けている。ボラティリティの大きい、投資の形をした人間ギャンブルだ。
世界中の娯楽、かつてのコロッセウムの最新版と言えるだろう。
女は山程工場から生産されてくるし、店はすべてアンドロイドが切り盛りしている。
全てのアンドロイドが自然な人間の意識を丸々ダウンロードされているから一見すると全てがリアルだ。
賞金首にせよ、賞金稼ぎにせよ、より多くころした者が評価される。
日常と暴力が入り乱れる。
修介は交差点付近でフリーズしたままだ。
一台の車が戦利品の女アンドロイドを数体引きずりながら猛々しく交差点に滑り入る。
組織に属する者もいれば、単独の輩もいる。
修介は一人ぼっちだ。
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