修介1

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修介の網膜に運転者の賞金額が表示される。1XRPだ。  1XRPあれば、弾丸が五千発、もしくは少し性能の良い集音マイク付きの人口耳が買えるだろう。そして、上位ランカーが見向きもしないような雑魚だ。  修介はクラウチングスタートの構えをとり、右横を時速230キロで飛ばしていく車が駆け抜けたと同時にトップスピードで駆け出した。  当然追いつけるわけがない。サイボーグと化した修介であっても時速六十キロを十五分駆けるのがせいぜいだ。  自宅のガレージからバイクを呼び出し応援に寄越して、すぐ様それに飛び乗った。  恐ろしく引き離されていた距離を一息に詰める。  足りていないものは? 修介が小銃を構え弾丸を放つ。追っている車のトランクから多弾頭ミサイルが斉射されると、道路からビルまでひとしきり爆破させ進路を阻んでくるがバイクは搭載されたエアスタビライザシステムの制御装置を駆使し、芸術的なまでのエアトリックで迫りくる瓦礫を躱していく。  決して修介のテクニックとは違う芸当だ。 「こんちきしょうめ!」     
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