修介1

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修介とタナベに埋め込まれている人口脊椎はもとはDARPAの試作品であり、埋め込まれた人間の精神を崩壊させる欠陥品であったが、幸いタナベには適性がありいまやこの国で上位ランカーとして君臨している。 一方、修介は適性がなかった為に人口脊椎が無限に増殖させるナノマシンに脳細胞をやられてしまい、サイボーグ化した機械部分にも同期出来ずにエラーを起こし、驚異的なスペックを内包しているにも関わらず最下位を争うランカーとして辛うじて生き残っているが、それは良くも悪くも品番IL152433人口脊椎のおかげでもあった。 タナベは前々から修介を忌み嫌っていた。あの姿を見る度によもや自分までがあのような無様な事になるのではと思ってしまい、恐ろしかった。 「今日こそ貴様を殺してやるぞ修介ぇ!」  そう叫び、青いブーメランパンツ一丁で全力疾走するタナベも亦、修介同様人口脊椎に脳細胞を侵されてしまっているのかもわからなかった。  
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