修介1

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 のたうち回っていたクチシャがすかさずマシンガンを速射するも、すべて寸でのところで躱された。 「なんだろうね。こいつは強いのかね」  クチシャはめげずにありったけの弾丸を浴びせるがまるで当たらない。  修介は膝から落ちたまま、意識を失い涎を垂らしている。  男の両腕から目を細めないとわからないような透明なコードがするすると延び、数体の女アンドロイドと車体とをくっつけ、奇妙な個体を拵え始めた。  アンドロイドの上半身四体ほどが、フロントのエンジン部に集中してとりつけられ側面やら上部やらに無造作に手足が添えられていく。  クチシャは装甲車に乗り込みガトリングガンを作動させたがプラズマによる結界で弾丸が蒸発させられてしまい、手持ちの手投げ弾を20個ほど投げつけて去ろうとしたが、プラズマでエンストさせられ、退路を断たれ戦うことを余儀なくされてしまった。  炎上したままの車体が動き出し、微動だにしていない修介を容赦なく撥ね飛ばし、クチシャを追い回した挙句アンドロイドのボディがとうとう捕まえて彼の右腕を食い千切ってしまった。  男はニタニタと笑い、修介の頭を何度も踏みつけ時折プラズマを浴びせる。  修介は記憶の中にいた。幼い頃の記憶に還っていた。     
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