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海の青色と優しかった祖母と、飼っていた犬のことを思い出していた。
人口脊椎を埋め込んでからは一切思い出すことのできなかった記憶が目覚めたのだ。
「んがッ」
修介は顔を上げ、踏みつけられていた足を払いのけ男の喉元に噛みつき、ぐん、と体ごと持ち上げそのまま地面に男の顔面を叩き付けた。
左大腿部のホルスターから大口径の銃を抜き、クチシャの左足を食い千切ろうとしているアンドロイドの頭部を全て撃ち抜くと、反撃を試みる男の右腕にある仕込み銃を即座に破壊し、胴体を蹴り上げた。
「ハッハッハ! 追いついたぞぉ! 修介ぇ!」
太陽の位置から声がすると、中空に浮き上がっていた男を踏みつけて空からタナベが降ってきた。
暴走状態にある修介はジャイブのステップを踏みながら着地したタナベに弾丸を放つ。
その隙にクチシャは引き千切られた自分の腕を回収し、取れかかった足からオイルを撒き散らして道端に放置された工事車両に乗り込み、付き合いきれないよね、勝手にやってろだね、と言い残しその場を後にした。
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