4人が本棚に入れています
本棚に追加
まとの蛍、一葉がいま、消えた…
確かにそうだ。世が人がというよりは自分の無明こそが自分を更生させず、闇に引き止めているのかも知れない。一葉に負けぬいまのこの不遇を「どうしようか」ではなく、ひたすら自分は「どうあるべきか」を探り、そして「大事なものは何であったか」を求め続けることが肝要なのだろう。しかし云うは易しである。今晩これからも、また私のこれからの人生も、それぞれ闇はなお深くなるのだろう。一葉同様光はまだいっかな見えない…。
いつの日か彼女とまたこうして人生や文学を語り合えるだろうか。時空の隙間に入る直前一葉が私の肩に頭をあずけてくれた。恋しい。いとおしい。この人こそが。まさに一葉恋慕である。その一葉がいま、消えた…。
「小説返歌」
世が人がとありかかりとひたみちに云ふが空しさ己心の魔ななり
花と咲きお蝶呼びたし我妹子(わぎもこ)をうもれ木ままでは果さざるらん
ー上二首、著者
【思はめやまとの蛍の光なきしみのすみかとなさんものとは】
最初のコメントを投稿しよう!