第一話

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 半分以上本気の攻撃がアグニの体に突き刺さり、城壁の一部を崩壊させていく。 「ふふー……もう怒ったもんね。そんなこと言うアグニなんてお仕置きだもんねっ!」  耳まで赤くして涙を浮かべるミーナは言葉を終えると、自身の能力である進化式高等魔法――〝銃火器精製魔法(イグニティア)〟を発動させた。新緑色という、緑系統の中でも物体生成に特化するアウラが全身から立ち昇っていく。辺りが薄暗くなるのは、壮絶壮大な魔方陣と共に大小様々な銃器が空一面を覆っているからだ。 「ちょ、まっ! そんな魔法を俺に向けるんじゃねぇ!」 「ダメだもんっ! 怒ったんだもん! だからお仕置きするんだもんーっ!」 「ギャー、わかった。俺が悪かったっ! だからもうゆるし――!」  アグニの言葉が言いきられる前に、空に浮かぶ銃は、その撃鉄を振り下ろした。 「反省しなさ――――――――――――いッ!」 『銃華大乱(じゅうかたいらん)――究極の流星群(アルティメットメテオ)』  それは、天から火の雨が降り注ぐという聖典的な光景をその場に描き出した。  そして大爆発を引き起こすと、アグニという女性に不誠実な男を焼くのだった。 「うっぎゃ―――――――――――――――――――――――――――――――ッ!」    †††
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