あの日捨てたもの

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あの日捨てたもの

このまま時が止まればと、何度思っただろう。 ふわふわの栗色の髪も。 笑った時の花が綻ぶようなその笑顔も。 凛としたその声も。 ずっとずっと誰よりも好きだった。 きっと誰よりもそばにいたのに。 誰よりも君を知っているのに。 それでも君の瞳が映しているのは僕じゃないあの人。 いつだって、君の瞳に、僕は映らなかった。
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