3 警告と、再会

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「い、いい、って……それは、どういう意味で」 「もちろん、男として、ってこと」 迷いなくそう言い切る沙貴に、めまいがしそうになる。 「だって沙貴、村井くんは……」 目の前にいる私の親友・沙貴は、大学一年生の頃から今の彼氏と付き合っている。同い年で、市役所に勤めている村井(むらい)貴明(たかあき)くんは、私も何度か会っているけど優しくて真面目そうでいい人だ。 「……村井くんのこと、嫌いになったの?」 私の問いに、首を振る沙貴。 「じゃあ、その後輩くんのこと、好きなの?」 「……」 今の彼が嫌になったわけでも、新しい恋をしたわけでもないのに、どうして浮気なんてしたんだろう。 だって、沙貴と村井くんはもう六年も付き合っている、 今更別れちゃうなんて、勿体ないよ…… 「理解できない、って顔してるね」 モヤモヤ考えていると、沙貴が酷く冷たい声を出したから、反発するように私は思ったままを口に出した。 「うーん、理解は出来ない、かなぁ……。私、沙貴みたいに六年も同じ人と付き合ったことないし、浮気だってしたことないし……」 「優佳。ほんとに、この気持ち、経験したことない?」 「え、……」 見ると、射抜くような沙貴の視線。 まるで、必死に隠していた悪事が、バレたようなー……
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