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彼氏ができた翌日に、他の人に恋をしてしまったら、あなたはどうしますか？
……第一印象は、「本当に同い年？」だった。
だって、貫禄がある。少しふくよかな体型と、撫でつけた黒髪、眼鏡をかけているせいでそう見えるのだと思う。
「初めまして、岡本拓真です。圭介と久野とは、大学が一緒で……って、二人から聞いてるか」
「う、うん。初めまして、山口優佳です。よろしくお願いします」
初対面の人に何を話したらいいか分からず戸惑う私を見て、彼は笑った。
なんて、優しく笑う人なんだろうと思った。
「オカ、久しぶりー。LINEでも言ったけど、中学の同級生の優佳ね。
……んで、実は俺と優佳、付き合うことになりました」
私の隣に座った、後藤圭介が言った。その言葉に一番驚いたのは、私の親友の久野沙貴だ。
「ええ、ついに！？
てか優佳、アンタ言ってよー。相談ぐらいはちょっと聞いてたけどさー」
「ごめん沙貴、でも圭介が今日この飲み会で発表する！って聞かなくて」
「沙貴には直接言いたかったからさ。てか、実際に付き合い始めたの昨日だし」
「昨日！？」
タイムリーな発表に、二人から驚きの声が上がる。
私だって、まさか中学生のときからずっと仲のいい友達だった圭介と、付き合うことになるなんて思ってなかった。
私と圭介と沙貴は、中学の同級生。
２、３年と同じクラスで仲良くなった。
高校はバラバラだったけど、圭介と沙貴は地元の同じ大学に進学。
私だけ県外の大学に進んだのであんまり遊べなかったけど、それでもお盆や年末は絶対集まってた。
……今年のお盆は、いつものメンバーにもう一人加わって、4人。
オカ、と呼ばれる岡本くんは２人と大学が一緒で、特に圭介とは学部まで同じだったと聞いている。当時からよく圭介と沙貴の会話で「オカ」という名前が出てきてたから、大学でも目立つ存在だったみたい。
そして今は、沙貴と岡本くんが同じ職場。
２人とも銀行員で、沙貴は窓口、岡本くんは外回りをしているとか。
正直、このメンバーじゃ私だけ接点が薄いと思う。
ノリみたいな感じで集まったけど、やっぱりいつも通り3人がよかったな。
って、私と圭介が付き合っちゃったから、今まで通りにはいかないのか……。
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