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そう。君と彼はいつも、考えている事はこういう時に於いておおむね同じなのだ。
ゆっくりと君はベッドに倒されて。だが、彼は君に何か致すわけでもなく何か会話をするわけでもなく。ただ密着して。ただ抱き合って。唯一障害物なく触れ合える掌と掌で、キスを繰り返す。
どれだけそうしていただろう。
設定していたタイマーが鳴った。
君と彼との僅かな逢瀬も15分で終了だ。
密着していた熱が離れて、ゴツンと彼に着けられた口元のボンベが頭に当たる。キスのつもりで行った彼の挙動も、今の君にはただ痛みしか与えられない。
小さく別れを告げて、彼は部屋を出ていった。
どうやら君の身体はこの惑星に合わないようだ。
4,300から4,600種類。広義の動物界の0.4%を占める哺乳類。霊長目ヒト科ヒト属。70億もの人間。これらの生物が快適に生きられる環境。大気の40%を占める酸素。君にとって今や酸素は猛毒に等しい。水の中を生きる魚ですら、水中の酸素が無くては生きていけない。なのに。君はその魚にすら劣るのか。
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