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酸素ボンベも付けずに部屋に入り。彼が呼吸困難になるギリギリまで君の防毒マスクが外れるまで、君を殴って君を殴って君を殴る。そして部屋の薄い酸素に自分が酸欠で倒れて。君も部屋の僅かな酸素に発作を起こして。そして君は誰かに助けられる。
何て無様な事だろう。
758,350回目はちゃんと考えるべきだ。
758,350回目はちゃんと妄想すべきだ。
君はこの自殺をするにあたり、誰にも迷惑をかけてはいけないのだ。
自殺願望を抱いた君は改めてぐるりと部屋を見渡す。部屋にあるのは、そば殻の枕。ベッド。袋状のシーツ。唯一の通話手段。タイマー。微かな酸素しか吐き出さない、巨大な酸素ボンベ。
昔は他にも物はあったが、君の758,349回に及ぶ自殺未遂に彼が全て捨ててしまった。袋状になっている為、シーツすら君は簡単に引き裂けられない。防毒マスクを外そうにも彼が装着した南京錠の所為で自分では外せない。彼を説得して彼に死なせて貰う外ない様だ。勝率?計算するまでもないね。君は分かっている筈だ。
では、彼以外の誰かに自殺を手伝って貰う様に頼む?いやいやそれは浅はか過ぎる。そんな事をしよう物なら、君が死んだ後3日以内にその誰かが怒り狂った彼に殺されてしまう。さっき君は誰にも迷惑をかけない様にと決めたばかりだ。
そもそも。何故、彼は君を生かすのだろうか。君は考えてみる。
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