始まり

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始まり

午後10時。 そろそろ時間だ。 今夜も私は自室で、剣市(ケンイチ)さまが来るのを待っている。 私は、剣市さまの夜伽の相手をする為だけに、ここにいる。 「若月(わかつき)。」 「剣市さま…」 「ああ、今日も綺麗だね。 良い子にしてたかな?」 「はい。剣市さまの、お言い付け通りに…」 「そうか…。それでは早速、確認しようか?」 剣市さまは、そう言って私を抱き寄せると襦袢の腰に手を回しスルリと、お尻の膨らみに沿って撫で回した。 その手は、そのまま前に回って胸の膨らみも撫で回す。 「ちゃんと、言い付けを守って下着はつけていないな。 よしよし、良い子だ。 それじゃ…。」 剣市さまの唇が、私の唇と重なり合う。 噛み付く様に始まったキスは、そのまま私の唇をこじ開け、口の中には舌が差し込まれ、自在に蠢き、隅々まで、剣市さまに味わい尽くされる。 その行為だけで、私の感覚が痺れてきて、何も考えられなくなる。 夜毎夜毎の営みで、何も知らなかった私の身体は、徐々に変化していった。 剣市さまにキスされるだけで、その先を期待してしまう私の身体は、だんだんと熱くなり、身体の奥から何かがジワリと湧き出してくる。
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