新宿でハヤミハヤミに怒られた

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新宿でハヤミハヤミに怒られた

金曜夜の新宿駅前も非常に騒がしい。人が多過ぎる。そして、人に紛れて妖怪や宇宙人の類も紛れ過ぎている。 「新宿駅前で亀の甲羅の上の土俵で相撲をとってる金星から来た頭にタワー生やした評論家と地獄をはい上がってきたオートバイを肩から生やした公務員なんて誰が観たいと思う?」 佐々木はご丁寧に目の前の光景を説明してくれる。彼の精一杯の優しさなのだろう。 「あなたが探している女の子は新宿駅付近でうざく女の子に絡んでいる男どもをばったばったと薙ぎ倒してくれてるわよ」 そう言うヤマゲロの視線の先にセーラー服姿の女がいる。ロングスカートで頭にインカムをつけた髪の長い女のことを確かに佐々木は知っていた。 「ハヤミハヤミじゃねえか。もう無理だろ。この目茶苦茶素早く動ける女も俺の手にはおえねんだ」
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