新宿でハヤミハヤミに怒られた

2/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
ハヤミと呼ばれたセーラー服の女は一瞬にして30メートルの距離から佐々木のすぐ隣まで近づいてきた。あまりの速さに空気が震える。ハヤミも佐々木が生み出したキャラであるがゆえに、他人から見えない。 「いや、このハヤミに関しては動きが速過ぎて普通の人には見えない、って設定だから。ヤマゲロも天使だから普通は見えないって設定一応あるから」 ああ、佐々木はこうやって虚しく独り言を垂れ流すのだ。まったく寂しい男だ。新宿で寂しく独り言を垂れ流す男の孤独感と言ったら! 「お前も捨てたはずなんだがな、ラッセル」 ああ、この佐々木という男はどこまでうざいのだろう。なぜ私の名前を唐突に呼ぶのか。 「登場人物のことをこっそりと追いかけていて、飽きたら話を終わらせる男、オワ・ラッセル。お前は存在自体が終わってるから始まりもしなかったな!」 ああ、なんてうざい男なんだ、佐々木は! もう終わりだ!こんなしょうもない話は終わりだ! こうしてこの物語は唐突に終わる。 (終わり)
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!