新宿でハヤミハヤミに怒られた

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「ほらハヤミちゃんいなくなっちゃったじゃない。あなた、ハヤミちゃんが遠くに離れても話せる方法知ってるんでしょ?」 ヤマゲロにこう言われた佐々木はしぶしぶ自分のスマホの通話アプリを立ち上げる。 「この特殊なアプリであの高速運動女と通話するわけよ。高速で動く女だから、すぐどこか行くわけね。日常会話してても気がつくと50メートル先にいたりして、自分の速さをコントロールできないの。頭のインカムは、そんなハヤミがどこにいてもすぐ通話できる用のもので、このアプリで位置情報取得して遠距離通話できるわけよ」 アプリは地図と通話スピーカーを表示している。 「ほら、あの正義の味方ハヤミは今歌舞伎町のビルの中にいて悪いやくざをボコボコにしてるのよ。ハヤミ聞こえる?今何やってる?」 「罪のない人を脅して金をせびっていた悪徳やくざをこらしめていたところだ。20人ほど倒した」 スピーカーの向こうでハヤミが極めて冷静にこう話す。かすかにやくざらしき男達がうめき声をあげるのがスピーカー越しに聞こえてくる。 「ほら、ハヤミはすごいんですわ。もう俺の手にはおえないんですわ。別にアクション描写が得意なわけじゃねえし」
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