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「はあ。ハイハイ、すごいよハヤミは。そうやって誰に見られなくても、誰に認められなくとも、自分の正義を人知れず貫き通すキャラだからな。ほら、新宿駅南口の上からこっそりこっち眺めてる男もお前に興味あるようだぜ」
佐々木がそう言ってちらりと新宿駅南口の上のほうを見ると、確かに高校生らしき男がいる。どうやらふわふわと宙に浮いてるようだ。
「あいつは常に周囲から浮いてる男で、そのせいで浮いて空まで飛べるようになった高校生で。ハヤミ、てめえが暴走したらあの浮遊男子高校生が助ける展開も考えてたんだぜ」
「知らない。私は人を助ける側で助けられたことはないから」
「そういうこと言う女だよ、お前は」
佐々木はそう言って、自動販売機にコインを入れてブルーハワイのペットボトルをハヤミに差し出した。
「高速運動繰り返してるお前は喉が乾きやすくて、一日に大量の水分をとるっていう設定もあるんだ。やるよ、ブルーハワイ好きだろ」
「ありがとう、受け取っておく」
ハヤミはそう言ってペットボトルの水分を飲む。飲んでる姿すらちょっとセクシーなわけだ。
「わりと美人な設定だからな。さあ、帰った。もう俺は十分満足だよ」
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