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「本当に満足してるのか?つくづく嘘ばっかりついてる男だな。じゃあな。私は生きたいように生きるから、お前も後悔しないように生きろよ」
ハヤミはそう言って飲み干して空になったペットボトルを佐々木に向かって投げた。
その投げた一瞬で、ハヤミは姿を消した。忽然と消えて、一瞬大きい風が吹いた。
新宿の雑踏で残された佐々木にヤマゲロが語りかける。
「あら、面白そうな子じゃない?あなた、捨てたと言いながら、やっぱりあの子のことが気にいってるのね」
「知らねーわ」
「ほら私の翼を見て。私の背中の天使の翼はICカードでできてるの。イマジネーションクリエイティブカードね。今、ひとつカードが増えたわ。これでもっと飛べる」
「いいかげんなクリエイティブカードだろ。もういいわ。せいせいしたわ。てめえらが使いにくいキャラだと分かって俺はもうお腹いっぱい胸いっぱいだ!」
「本当にそう思ってる?新宿の雑踏の中に見える彼らを見ても?」
新宿駅前を歩く人間の中には、瞬間移動を繰り返している男や、通りすぎた場所に花が咲いていく女がいた。そんな彼彼女らを見て佐々木はこう言う。
「奴らの設定も考えたけど活かせねえんだって。まったく捨てた!と思うと出てくるもんなんだよな。まったく厄介なもんだよ、人生ってのは」
そう言って佐々木が振り向くと、すでにヤマゲロは姿を消していた。虚しく独り言を言うこの男の姿の何と寂しいことか。
「うるせーわラッセル!今度こそちゃんと終わらせろ!」
佐々木がこちらを見てこう怒鳴るので、この物語はここで終わる。
皆様、くれぐれも悔いなき人生を。
(終)
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