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「俺はもう何も作りたくはない、どうせ俺に創作の才能などないのだ、訳が分からないものばかり生み出しても何も意味がない。そんなものは誰の共感も呼ばない。ネットの海の上を虚しく漂っていずれ汚れとして排除されるだけなんだ。ならば俺は言葉を捨てるし、いっそのことクリエイティブに感じられそうなことを全て捨てる」
佐々木は、自分に対してそう言い聞かせていた。
だが、人生とは思うままにはいかないようだ。
秋葉原のファーストフード店で、しなびたポテトをほおばっていた佐々木は、窓の外を眺めていた。
山手線が夜の街中を走っていくのが見える。
ふいに現れたのは天使のような緑の女だ。
山手線の上空を漂っており、やがて佐々木に気づき、一気に近づいてきた。
ファーストフード店の窓をすり抜けて隅の席でスマホを眺める佐々木の横に、緑の天使女が近づいてきた。
「捨てたんでしょ?私のことを」
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