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漣は言葉を詰まらせながらも、真冬に状況を話した。真冬は度々メモを取りながら話を聞いた。
「そんな事があったのね…。話してくれてありがとう。1番気になるのはその魔物達とお母さんの行方ね。魔物が出るなんて……。魔物が出ていたのは随分と昔の話なのにね。」
「そう言えば、父さんは?」
真冬は、漣の事を気遣いながら、けれども淡々と父親の死を告げた。
「父さん……。僕がもっと速く戦っていれば…。」
漣の頬に涙が伝う。真冬の目も潤んでいた。
「自分ばかり責めないで?大事なのはこれからどうするかだから。お父さんはあなたのせいだなんて思っていないわ。」
漣は涙を拭うと顔を上げた。
「これから、どうしたい?」
「必ず父さんの仇を討ちます。でも、情報が少なすぎて、どうしたら良いか…。」
真冬は立ち上がって、優しく微笑んだ。
「それなら大丈夫よ。きっと何とかなるわ!それより、何か食べましょ?しっかり食べないと何も出来ないわ。」
そう言って台所に立った。
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