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昼食を食べ終えた2人は、再び馬に乗り家を目指した。日も少しずつ傾いてきた頃、森の中にポツンとある家に辿り着いた。2人がただいまと言うと、母親がでてきた。
「おかえりなさい。お疲れ様!」
父親と漣は荷物を家に運び込んだ。
「ありがとう。さっ、ご飯作るわね!」
「じゃあ父さんは馬に餌をやってくるよ。」
それを聞いた漣は荷物を自室に放ってすぐに戻ってきた。
「それなら僕がやるから!父さんは休んでてよ!」
父親と母親は微笑んだ。
「そうか?それならお前に頼むよ。」
「うん!じゃ、行ってくるね!」
漣は馬小屋に向かった。2頭の馬は、顔を出して餌をせがんでいる。
「よしよし、ちょっと待ってな。」
漣は牧草を餌場に置く。そして井戸に水を汲みに行くために、バケツに手をかけたその時。馬が物音に反応して顔を上げた、間もなく漣にもその音が聞こえた。何かが草木を押しのけて近づいてきている。狼のような、獣の鳴き声も聞こえる。だがそれはただの獣の声ではなく、狂気や殺気に満ちている。
「えっ……。何…?」
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