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このままだとお見合いさせられる。
私は悩みながら家畜に餌をやっていた。
センジュシキという、大型の鳥だ。
鳥だけど魚が好みで、半透明のくちばしで一生懸命小魚をついばんでいる。
「あ、いたいた。おーい、おはよー」
ぼんやりしていると、村の女の子達がやってきた。
「おはよう。どうしたの?」
「ラディアの結婚祝いの事よ。何にするか決めた?」
「ああ……まだ……」
結婚祝い。良いなあ……。
溜め息をつきながら答えると、女の子達は顔を見合わせた。
「何かあったの? 元気ないね」
「うん……実は」
私が見合いの話をすると、皆は複雑そうな顔をした。
「見合いねえ。まあ、良いかもね」
「ええ!? 嫌だよ! リクじゃないと嫌!」
「でも、ねえ」
「うん」
皆は困った顔をしている。
「リクジュ、悪くは無いけど……」
「あんまりしゃべってくれないし、何考えているのかわからないよね」
「うんうん」
皆の言葉に私は思い切り首を振った。
「そんなことないよ! わかりやすいし、優しいし、頼りになるし、格好いいよ!」
私が拳を握って力説すると皆は苦笑交じりに頷いた。
「わかった。もう、ミオはホントにあいつのこと好きだね」
「……うん。好き」
好き。誰が何と言おうと、私はリクがいい。
「それなら、頑張って振り向かせないとね」
「ミオ、頑張れ!」
皆は私を応援してくれることになった。
そうだ、頑張ろう。
頑張って、リクのお嫁さんにしてもらうのだ!
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