円卓会議

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「ロステアール王が話し掛けたら機嫌悪くなるに決まってんのに、なんだってああやって煽るようなことするのかねぇ、あの王様は」 「さてなぁ。あいつの考えていることは判らんが、もしかすると青の王をからかって楽しんでいるのかもしれんぞ?」 「またまた~。さすがにあの王様でもそんな遊び方はしないでしょ~」  そう言った黄の王が小声で笑っていると、今度はそちらに青の王の視線が刺さった。 「リィンスタット王、大層楽しそうなご様子でいらっしゃいますが、何か良いことでもおありで?」 「げぇ、こっちに飛び火した……。いやいやなんでもないっすよぉ。ちょっとこのおっさん、じゃなかった、テニタグナータ王とお喋りしてただけですって」 「公式な会議の場でお喋りですか。さすがはリィンスタット王にテニタグナータ王。軽薄なお方と思考能力が高くないお方というのは、どこまでも気が合うのでしょうね。羨ましい限りです」  そう言った青の王が二人の王に微笑みかけたが、勿論目は全く笑っていない。 「おい黄の小僧。お前さんのせいで儂にまで飛び火したぞ」 「いやぁでも、あんたが難しいこと考えるの得意じゃないのは事実だしなぁ」  またもや小声でそんなやり取りをしていると、今度は紫の席に座っていた女性が、じとりと二人を見た。 「うるさい。不愉快。黙って」     
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