プロローグ

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 ちなみに、実は服装の方も普段着とはかなり違っている。ぱっと見は大差ないのだが、衣服の素材がまったく異なっていて、風通しが良くて軽い布でできているのだ。首に巻いているのも、マフラーではなくストールである。  例にもよって例の如く、これらはすべて赤の王から贈られたものだった。かの王が、砂漠地帯向けの衣服やら装備やらを一切持っていない少年のためにと言って、止める間もなく買い揃えてしまったのだ。さすがに何もかも貰うのは申し訳ないし嫌だと思った少年だったが、案の定人の話を聞かない王に押し切られてしまったので、結局全て貰う羽目になってしまった。 「……そもそも、なんでこんなことに……」  いや、理由は知っている。帝国に狙われている自分をどうすべきかという議題に対し、円卓会議で国王たちが出した結論がこれだったからだ。  黄の国リィンスタットにて、エインストラを庇護する。  経緯は全く知らないが、先日行われた円卓会議ではそう決定したらしい。なんだってそんな遠くの国で守られなければいけないのかは判らなかったが、いち庶民でしかない少年には、円卓会議での決定に逆らうことなどできない。 (知らない人のところに行くなんて、気が重いなぁ……)     
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