嫉妬

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「美夕は見つけた。 連れて帰るから、お前達は家に帰っていてくれ」  美夕を見つけたのは貴臣だった。  その事実を聞かされた時の、楊の悔し気に歪んだ顔を滉は未だにはっきりと覚えている。 兄に対する異常なまでのライバル心を持つ最初の一歩だったのだろうが、その後目の当たりにした現実が楊の心を決定的にしたのだろう、と滉は思っている。  美夕を連れた貴臣が家に戻ったのは、滉と楊が戻った一足後だった。 貴臣に横抱きに抱えられて眠る美夕を見た滉と楊は言葉を失い、立ち尽くした。
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