嫉妬

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 あの頃まだ生きていた美夕の母はショックに卒倒し、執事の三浦に抱えられてソファに横になった。 リビングにいた全員が、一言も発することができないほどにショックを受けていた。  貴臣の肩には浴衣の帯が掛けられ、美夕の着る浴衣は原型を留めに程に破られていた。 胸元から下腹部にかけては貴臣のジャケットに覆われてはいたが、白く美しい肌が半裸に近い状態で露わになっていた。 「兄さん……まさか美夕は」  楊はやっとの思いで言葉を発し、貴臣が静かに首を振る。 「大丈夫だ、未遂だ。 寸でのところで見つけた」
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