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女の亡骸を庭に埋めた後、アルベールは村に戻りました。そして、彼は村人たちに、こう言いました。
あの城にいたのは魔女ではなかった。あそこにいたのは、呪いをかけられた哀れな女だけだった、と。
それを聞いた村人たちは口々にこう言いました。
「なんだって!それじゃお前は人間を殺したっていうのかい」
「なんてこと!汚らわしい!」
「そうだそうだ!魔女は人間ではないが、人殺しはこの村にはおいてはおけない」
「なんてやつだ!さっさと出ていけ!」
村を追われて行き場をなくしたアルベールは、あの森の奥の城に戻っていきました。
それから、アルベールは一人、主を失った茨の城で暮らしました。あの日からは彼は歳を取ることができなくなってしまったのです。それは呪われた者を殺した者への呪いでした。あの時、魔法使いは女に二つの呪いをかけていました。一つは、自ら死ぬことができない呪い。もう一つは、女に恋した者が彼女を殺すと、その者もまた同じ呪いを受けるというものでした。アルベールは、一目見た瞬間から女に恋をしてしまったのです。
女の亡骸を埋めた庭には紫色のヘリオトロープが咲き誇っていました。
彼は彼を殺してくれる者が現れるまで、永遠にその花の世話をするのでした。
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