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それを人は呪いと呼んだ
お前たちがいとも簡単に屑籠に放り投げたもの。
そこにあるのは実にシンプルで分かりやすい。たった一つ、その中には死が転がってたよ。
やれ正義だ、やれ平和だなどとほざいて暴力を振るう。貴様らが開けてしまったのはただ戦争の火蓋なんかじゃない。あれはパンドラの箱だった。
絶望が蔓延するその地で起きた悲劇は感動の映画じゃない。
俺たちは耳から離れない硝煙の匂いと鼻を満たし続ける血の音を振り切るためにまた繰り返した。
積み上げられていく死体に何を思えば良かった?足を亡くした少年に、親を亡くした乳飲み子になんて声をかければ良かった?
ああ、まただ。そいつらは決まって俺の耳元で囁くんだよ。お前のせいだ。お前のせいだってね。
最後の最後、箱のそこには希望が残ってました?バカを言え。アレはそんな素晴らしい物なんかじゃない。より深い絶望だよ。
求めて足掻いて這いつくばった者にだけ魅せるより深く純粋な絶望。木の影で何も語らない冷たい筒を抱いて震えて怯えて祈っていた。
そして皆同じように覗くのだ。その筒には何が入っているのかと。
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