それを人は呪いと呼んだ

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その黒はどこまでも深く深く飲み込んだ。覗いてみればどこまでも限りなく透き通っていて果てしない先の先でソレも俺を覗いていた。 結局、最後までソレが”何”だったのか、それはそこにいた奴らしかわからなかった。 だからこの醜い哀れな憎悪の連鎖は終わらない。お前らが指にはめた赤青緑の煌びやかな宝石は本当にそれだけの価値があったか? お前らは二つ返事でYESと言って甘い甘いコーヒーをすすりその石っころを眺めていた。たからだよ。だから最後なんだよ。 なんどもなんどもくだいた物はそんなに安くはないんだよ。 お前のブクブクと膨れた醜い指にスッポリはまって抜けなくなった醜い打診や保身よりよっぽど価値が有る。 赤く透き通ってどこまでも美しく脈動していたよ。あれほどに美しいものはないとソレはいった。俺たちはソレの言うことを理解してしまった。 だから多くの仲間が、敵が、生き残った者達はそのまま引き金を引いたのだ。 背中にのしかかる呪いはもうそこまで来ている。 少しの犠牲で多くを救うだとか、これこそが神なる意思を貫く道だとかもう終わりだ 俺はなお前らが掲げたそんな存在しもしない賢者の石なんかよりよっぽどキレイな一粒の宝石を届けに来たんだ。 人の命にまさる物はどこまで行ってもあり得なかったんだよ。     
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