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アイツは俺に倒れこんで耳元でこぼすように囁いた。
次はお前の番だ。あれは呪詛なんてたいそうなもんじゃねぇ。安堵と哀れみだったよ。
今ならようやくわかる。だけど、あぁ、もう終わってもいいだろう。やっとここまで戻ってきたんだ。
随分と長い道のりだったよ。こいつは悪夢と呼ぶにはちと長すぎた。
今回は違うさ。きっと違う。
あの日、あの日お前が捨てたもうひとつの結末。
俺はすくい上げるようにそれを抜いた。
やっぱりだ。こうしてみればいつもあっさりと終わる。ただ何事もなく穴があいて血が噴き出して。
その時になってみれば案外なんてことない。音もせずただ過ぎていくだけだ。
そうだ。これは始まりじゃない。やっとだ、やっと頭にたどり着いた。
俺はやっと銃口をここまで持ってこれた。
あの日、復讐を果たした俺にようやく出会えた。
たどり着くのに随分かかった。これでようやく消せる。全て終わる。ああ、なんてあっけない、随分と真っ暗だ・・・。
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