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子供な大人
中学二年生の夏、両親がかつてない大喧嘩をした。喧嘩そのものは決して珍しいことではなかった。だが、この日だけは私の中の何かが違っていた。
いつもと変わらない、うるさい罵り合いが延々と繰り広げられる。二人がどうしてこんなことになってしまったのか、私は今でもよく知らない。だけどそれでいい。自分でそう望んだのだ。理由なんて、知りたくもなかった。どうせ取るに足らないことに違いないのだ。原因を想像しただけで気分が悪くなる。
あいつらなんてどうでもいい。何で気にしなきゃならないの。私には関係ないんだから。
何度も何度も自分にそう言い聞かせ、見て見ぬふりをした。それなのに、両親は喧嘩となるといつでも私の話を持ち出した。まるで自分たちの問題から逃れるようにだ。父は私の学校の成績が悪いのは母の遺伝だと言い、母は父のせいで私が可愛そうでならないと無用な情けをかけた。
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